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4.292016
手についた魚の臭いの落とし方
水産関係の仕事をしていれば、避けて通れないのが「魚の臭い」です。手や制服等も当然魚臭くなります。こればっかりはどうしようもありませんが、魚の生臭さを消す方法もあります。
今回は手や体についた魚の臭いの落とし方をご紹介します。
生臭い「におい」は次のようにして落とすことができます。
- 物理的に洗い落とす
- 中和して臭いを消す
- 消臭効果で生臭さを取る
- イオン効果を利用して臭いを落とす
そもそも魚は何故臭い?
さて、魚の臭いの落とし方の前に、そもそも魚の生臭さの元って何なのかっていう話からさせてください。臭いの元がわからなければ効果的な落とし方もわかりませんからね。
魚って生きているときは、生臭くないのです。(もちろん魚の臭いはしますが)
それでは何故、魚を調理すると手が生臭くなっちゃうんでしょう?
じつは臭いの原因は「細菌」なんです。
魚が生臭くなるのは、私たちの汗などが臭くなる理由と同じです。汗自体は臭くはないのですが、汗を栄養分とする細菌が繁殖することによって臭くなります。魚も「細菌」が繁殖することによって生臭さが出てくるのです。
- 魚の中には「うまみ成分」でもある「トリメチルアミンオキサイド」という物質が存在
- トリメチルアミンオキサイドを餌とする細菌が繁殖
- 細菌のもつ酵素によってトリメチルアミンオキサイド→「トリメチルアミン」へと分解される
こうやって分解されてできた「トリメチルアミン」が魚の生臭さの元!(この臭いを「アミン臭」と呼びます。)さらに時間が経つと、「アンモニア臭」も加わって強烈な臭いを発するようになります。(魚によっては新鮮でもアンモニア臭のするものもいますが)
生臭さを出さないようにするには…
当然のことながら、生臭くないものを扱うほうが、手にも臭いがつきにくいわけです。それには新鮮なものを扱うということが一番なのですが、生臭さの原因が「細菌」によるものであれば、細菌の繁殖や活動を抑制すればいいということですね。
細菌は低温だと活動が弱まりますから、できるだけ常温におく時間を短くすることも生臭さを出にくくする方法のひとつです。(ま、臭いだけに限らず鮮度を保つために、できるだけ低温の環境で保管するようにしましょう。)
手についた魚の臭いが落ちづらいのは?
魚の生臭さの元であるトリメチルアミンは、手のしわや指紋など、細かなところまで入り込みます。さらには、トリメチルアミンは肌ともイオン的に結びつきやすいのです。なので、手についた魚の臭いは落ちづらいんですねぇ。
手についた魚の臭いの効果的な落とし方
さて、「生臭さ」の元がわかりましたので、本題に入りましょう。
魚のにおいを落とすための効果的な方法をご紹介します。
- スクラブ粒子配合のハンドソープを使う
- 塩でもみ洗う
- 酢につける
- 柑橘系の皮でこすり洗う
- 重曹を使う
- 茶殻でこする
- ステンレス石鹸でこする
物理的に生臭さを洗い落とす
トリメチルアミンは肌の細かなところまで入り込みますから、ブラシを使ってこすり洗うといいですよね。
同じような理由から、スクラブ粒子が配合されたハンドソープを使うというのもいいですね。「しわ」など細かな隙間に染みついた汚れや臭いを洗うということです。塩や重曹の研磨作用も利用できます。また、スクラブ粒子配合あるいは塩の入った歯磨き粉を使って手を洗っても、臭いを落とすことができます。
ただ、これらの方法というのは、手の表皮を削り落としているわけです。さらには手の油分も奪っているため、肌へのダメージは大きくなります。ですから手洗い後はハンドクリームでのお手入れが必要でしょう。
中和させて臭いを消す
手を「酢」で洗う、酢につけるなども生臭さを消す効果があります。「トリメチルアミン」はアルカリ性ですので酸で中和するというわけですね。酢ではなく、柑橘系の汁でもいいですし、柑橘系の皮などでこするという手もあります。
ですから、市販されている魚の生臭さをとることのできるハンドソープには、柑橘系の成分が含まれているものが多いんですね。
また、酢や柑橘系の成分には殺菌作用もありますので、細菌の増殖を抑制することにもつながるのでしょう。
消臭効果で生臭さを消す
お茶やコーヒーなどには、消臭効果がありますが、飲んだ後のコーヒーの豆かすや茶殻で手をこすり洗うことでも、魚の生臭さを消すことができます。ちなみにコーヒーの豆かすや茶殻は、乾燥していない方が臭いを吸収しやすいのだそうです。
イオンの反応によって生臭さを消す
ステンレスに触れると、生臭さを消すことができるのです。身近なものだと、(ステンレスでできた)蛇口なんかで手をこすったりしても臭いを落とすことができますよ。鍵などで指をこすっても効果があります。
市販されていて、昔からよく使われているものに「ステンレス石けん」というものがあります。ステンレス石けんとかステンレスソープなんて名前ですがは、じつは石けんではありません(笑)ただのステンレスの塊です。
普通の石鹸を泡立てた手に、ステンレス石けんを30秒程こすりつけ、流水ですすぎ落とします。するとステンレスが、水と空気と反応して臭いの分子を引きつける状態になり、手についた臭いの分子は、ソープにひきつけられるという仕組みです。環境に優しく経済的な方法でもありますね。
手についた魚の臭いをとるのに一番効果がある方法は?
実際に私が実践してみて、効果を感じるのは、
- ステンレス石けん
- 柑橘成分の入ったハンドソープ
- ハンドブラシ
を使った手洗いです。
これで、手についた生臭さについてはほとんど消えることだと思います。よかったら試してみてくださいね。
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